CONCEPT 天平庵の考え
その1 代表歌

「三輪山を然も隠すか 雲だにも心あらなも隠さふべしや」
額田王

(三輪山をもっと見ていたいのに、雲が隠してしまった。そんなにも隠すのか。せめて、雲だけでも思いやりがあってほしい。そんなに隠すこと、ないではないか。)(巻1-18)

667年、中大兄皇子は都を飛鳥から近江へと遷しました。額田王が北へ向かう道中、慣れ親しんだ美しい三輪山を見納めになるであろうと振り返っては眺めたのでしょう。しかし三輪山には白雲がたれこめていて、その姿が見ることが出来ず、「雲よ、なぜ三輪山をかくすのか。青く美しい山の姿を見せておくれ」と詠みました。遠ざかるにつれ見えなくなる山を惜しむ心がしみじみと伝わってきます。
この歌に代表されるように、三輪山は聖なる山として古代から人々に愛されてきました。天平庵も多くの人に愛され、親しみを持っていただけるようにとの願いを込め、この歌を代表歌としました。

その2 ロゴマーク
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天平庵のロゴマークは、大和三山(香具山・畝傍山・耳成山)をモチーフにデザインしました。
大和三山は自然が創り出した偶然でしょうか、畝傍山を頂点に見事なまでの間隔をなし、三角形のきれいな位置関係を保っています。その様子をロゴマークに表現してみました。
「三山、鎮(しずめ)をなす」大和三山に囲まれた土地に立ってみると、大変落ち着いた気持ちになります。藤原京は、694年に大和三山に囲まれるようにこの地に建てられました。
大和三山は万葉集でもたくさん詠まれていますが、中でも有名な歌に中大兄皇子の三山妻争いの歌があります。美貌の万葉歌人・額田王と、古代の英雄・中大兄皇子、大海人皇子が兄弟で彼女をめぐって争う様子を想像することで、ロマンを感じることができます。だからこそ、大和三山が醸し出す情景が古代から今まで人々の心をとらえ続けてきたのではないでしょうか。

「香具山は 畝傍ををしと 耳梨と 相争引き 神代より
かくにあるらし 古も 然にあれこそ うつせみも 妻を 争ふらしき」
中大兄皇子

(香具山は畝傍山をいとおしいと耳梨山と争った。神代の頃からもこうであったし、昔もそうであった。だからこそ今の世も妻を争っているらしい)(巻1-13)

その3 ブランドカラー

冠位十二階

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天平庵のブランドカラーは、最上位の大徳です。

天平庵のブランドカラーは、聖徳太子が定めた冠位十二階の中で、最上位・大徳を示す色「濃紫」を基本とします。紫色は高貴さや艶やかさを表現する色として尊ばれていました。天平庵も紫色を基本に華やかな店づくりをしたいと考えております。