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和菓子は日本の歴史や伝統をいまに伝える五感の芸術であると称され、特に聴覚の要素である菓銘は、一層の味わいと風情を高めるものです。
日本最古の歌集・万葉集は花鳥風月や自然の風物などの清雅な日本的感性のものが多く詠われています。現代の日本人の心にも響く万葉集より、できる限り菓銘を付けたいと思います。 |
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大和三山 |
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香具山は 畝傍ををしと耳梨と 相争ひき 神代より かくにあるらし
古(いにしへ)も 然(しか)にあれこそ うつせみも 妻を 争ふらしき |
| 中大兄皇子(巻1−13) |
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味酒(うまさけ) |
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味酒 三輪の山 あをによし 奈良の山の 山のまに い隠るまで
道の隈 い積もるまでに つばらにも 見つつ行かむを
しばしばも 見(み)放(さ)けむ山を 心なく 雲の 隠さふべしや |
| 額田王(巻1−17) |
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しめゆひ |
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後れ居て 恋ひつつあらずは 追ひ及かむ 道の隈廻に 標結へ我が背 |
| 但馬皇女(巻2−115) |
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古(いにしへ) |
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古に ありけむ人も 我(あ)がことか 妹(いも)に恋ひつつ 寝(い)ねかてずけむ |
| 柿本人麻呂(巻4−497) |
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しば栗の里 |
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瓜食(は)めば 子ども思ほゆ 栗食めば まして偲はゆ いづくより 来りしものそ まなかひに もとなかかりて 安眠(やすたみ)しなさぬ |
| 山上憶良(巻5−802) |
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鄙美人(ひなびじん) |
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天離(あまさか)る 雛に五年(いつとせ) 住まひつつ 都のてぶり 忘らえにけり |
| 山上憶良(巻5−880) |
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月の舟 |
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天の海に 雲の波立ち 月の舟 星の林に 漕ぎ隠る見ゆ |
| 柿本人麻呂(巻7−1068) |
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泊瀬(はつせ)しぐれ |
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春日野に しぐれ降る見ゆ 明日よりは 黄葉(もみじ)かざさむ 高円の山 |
| 藤原八束(巻8−1571) |
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もえみどり |
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浅緑 染め懸けたりと 見るまでに 春の柳は 萌えにけるかも |
| (巻10−1847) |
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明日香川 |
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明日香川 明日も渡らむ 石橋の 遠き心は 思ほえむかも |
| (巻11−2701) |
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百重 |
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我が恋は 夜昼わかず 百重なす 心し思へば いたもすべなし |
| (巻12−2902) |
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山吹 |
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山吹の 花の盛りに かくのごとく 君を見まくは 千年にもがも |
| (巻20−4304) |
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小夜の舟 |
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青波に 袖さへ濡れて 漕ぐ舟の かし振るほとに さ夜ふけなむか |
| 大伴家持(巻20−4313) |
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かぐはし |
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梅の花 香をかぐはしみ 遠けれども 心もしのに 君をしそ思う |
| (巻20−4500) |
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